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Site:敷地の選定に際して

お客様が建築設計事務所を選定する段階では、
既に敷地が決まっている場合が、一般的状況ではないでしょうか。
ですが、実は敷地を選定するに段階でも、建築の専門的知識が必要になります。
ここでは、これから敷地を探そうと考えていらっしゃる方々のために、
予備知識として役立てて頂きたい事柄をピックアップしています。

地盤について

敷地境界付近に2メートル以上の擁壁等

建築規制情報の不一致

インフラの未整備


地盤について



今も昔も、建築物を建てる場所は入念に調べて、地盤などの環境の良いところを探すのが基本です。
しかしそうは言っても、なかなか条件の良い敷地を見つけ出すのも容易でないと思います。

現在の建築技術を持ってすれば、たいていの場所に建設可能ですが、
より建築を立てやすい場所を知っておくことに、損は有りません。

以下、そんな場所を見つけるための幾つかのチェックポイントをご紹介します。

特に海に近い低地や埋め立て地であったり、農地を埋め立てた場所、造成のために盛土された土地で建築を建てようとする場合、注意すべきポイントです。地盤の悪い敷地に建築しようとする場合、それなりの金額と労力が伴います。
やっと手に入れた敷地が、ふたを開けてみたら予想外のところで、しかも、全く見えないところでお金がかかってしまうということになってしまうことも。しかしながら、これらの土地も、対策を施せば十分建設可能ですので、様々なもののバランスの中で検討されることをおすすめします。
以下のことをチェックしてみて下さい。


1.  近くに川が流れていないかをチェック
現在は川から多少離れていても、昔に川の近くだった可能性を調べる。ハザードマップなども参考になるのではないでしょうか。

2.  周囲の建物をチェック
お隣など出来るだけ敷地に近い、同程度の規模の建物を見つけて、杭などを使用したかどうかヒアリングする。

3.  役所のデータをチェック
役所の建築構造課には、既に建設されている敷地の地盤データが参考として蓄積されています。敷地に近いデータを数カ所コピーしてもらい、持ち帰って専門家(建築家)に尋ねることをおすすめします。役所構造課の担当者も或る程度は教えてくれると思います


川近くの場合、地盤の堅さは数メートル離れるだけで変わる場合もあり、結局のところ、敷地内部でボーリング調査をしないと正確に判断することは難しいと言えます。ですから、上記の様な地域に計画する場合は、予算にある程度の余裕を持たせることをおすすめ致します。


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敷地境界付近に2メートル以上の擁壁等


敷地よりも隣地が2メートル以上高い、或いは2メートル以上低い場合は注意が必要です。
上記のような敷地の場合、地域によって、崖の上下に有る建築物の構造や離隔距離を規定するなどの条例が有ります。
東京都の条例では以下のような内容となっています。


崖下に建物を建設する場合、以下3つの方法のいずれかを選択する必要が有ります。

1.  崖から一定の離隔距離を確保する。
敷地に余裕が無くて上記離隔距離をとるのが難しい場合は、下記の2通りになります。
2. 

敷地側に新たに、基準に定められた強度を持つコンクリート製の擁壁を設ける。

3.  建築物を部分的にコンクリート製にする。
(1階部分全体をコンクリート製にして、2階以上は木造にするなど)

崖上に建物を建設する場合、以下3つの方法のいずれかを選択する必要が有ります。

1.  崖から一定の離隔距離を確保する。
敷地に余裕が無くて上記離隔距離をとるのが難しい場合は、下記の2通りになります。
2. 

敷地側に新たに、基準に定められた強度を持つコンクリート製の擁壁を設ける。

3.  擁壁の基礎下端付近までの深基礎あるいは杭などを設ける。

以上のように、敷地上下の崖からの安全を確保するためにコストがかかります。
しかしながら、これらの土地も、対策を施せば、眺望の良い最高のロケーションを手に入れることができるかもしれません。それらも考慮し、様々のもののバランスの中で検討されることをおすすめします。

崖条例以外にも、地域によっては、建築基準法以外に独自の条例が定めてある場合も多く、建築基準法より厳しく規制されているのが普通なので、それらにも注意が必要です。



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建築規制区域情報の不一致


都市部では、用途地域での高さ規制の他に、高度地区という規制区域が有り、注意が必要です。
これらの区域は途中で変更される例が有ります。環境は時代によって変わってくるため、それに合わせて規制が厳しくなる(あるいは緩和される)場合が有り、お隣や周辺の建物高さが高くても、現在その地域ではその高さの建物が建てられなくなっていることもあります。
また、不動産情報が更新されていないことも有りますので、これという敷地が見つかった場合、役所の都市計画課で確認されることをおすすめします。



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インフラの未整備


宅地として売られていても、
家を建てるためのインフラが整っていない土地が存在します。
整っていなくても、それなりにインフラが有るように見えてしまうケースが有ります。

以下のような要素が有ります。

接道する前面道路が共用で舗装されていない
下水管・水道管・ガス管がお隣と共用で且つ古い

→建設時に重機の重みで破損する可能性有り。
 共用配管なので、修復の費用分担が不明。
→重機を使用できないことによるコストアップ。
→その状況を整備するための協議期間と手続き、
 道路舗装や下水整備のコストは計り知れない。

共用している下水管・水道管が細い

→長屋などの共同住宅を建てる際には整備が必要。
→2世帯,3世帯とする場合でも容量が心配。
→水道メーターを増設できない。

前面道路以外も細く、トラックやクレーンが入れない道路の距離が長い

→4m拡幅のためのセットバックが進んでおらず、
 建設資材の手運びによるコストアップ。

インフラだけではない複合的な要因

→土地代がお得な理由は1つだけとは限らない。2重、3重も有り得ます。

以上のような土地はどういう経緯で存在するのか、例えばこういう事例です。
昔は縦長の敷地を、手前と奥で分け、親類同士あるいは借家として、インフラを分岐して使用しており、奥の敷地をその状態で今まで活用していたが、最近になって奥の敷地が売りに出された、従って奥の敷地専用のインフラはまだ無い、というような敷地です。今後増えるのではないかという気がしています。不動産情報には一応説明はされているのですが、それだけでは “基本的なインフラが整っていない” ということが一般の方にはわかりずらいという状況。また更に、それを整備するためにどれだけコストがかかると予想されるかということが説明されない。必ずしも説明する必要が無いようなのです。だから、土地の購入を決めた後に、それ以外の要因も加わって、様々なコストが掛かることが分かり、購入寸前の所で断念されたケースが有りました。購入前だったから良かったものの、購入した後だったら資金繰りに窮するところです。不測の事態に対する余力までは無いのが普通ではないでしょうか。
宅地なら、あとは家を建てればOK、ということでは、必ずしも無いという。
また、建築法規とも無関係な故に、盲点と言えるのではないかと思います。
しかしだからといって、誰かのせいにもできないという、
そう言う土地が有ると言うことを知っておく必要が有ります。


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以上のように、専門家でなくては知ることが難しいような知識が、敷地を選ぶ段階から必要になることがあります。上記の様な内容が含まれていないかどうか、よくよくチェックされることをおすすめ致します。
当社でも敷地選定段階からのご相談も承りますので、お気軽にお問い合わせ下さい。



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